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Project / SIDE B 003

  • nonaky2000
  • 2017年10月19日
  • 読了時間: 2分

Photo by Ukyo Koreeda (His FB page)

愛を込めて

もしもし、お母さん。私たち頑張っているよ。3万光年も離れていても、お父さんとお母さんのこと、いつも忘れてないよ。アヴィンはこの星で好きな人ができたんだよ。お弁当屋さんで働いている男の子で、笑顔がお父さんに少し似ているよ。サラルはこないだ、アイドルのコンサートに行ったよ。たくさんの人が一緒になって、争いごとがなくなるようにお祈りしたよ。ウリグはいつも寝てばかりいるけど、お仕事のときはすごく頑張っているよ。だからおじさんたちによく褒められているの。故郷から遠く遠く離れているけど、3人だから寂しくない。この星がいつまでも平和で、私たちの星のようなひどいことが起きないように、きっと頑張るね。私たちが弱音を吐いたら、この星の人たちにつらい思いをさせるから。だってみんな、すごくいい人たちだから。じゃあそろそろ回線を閉じるね。誰かに見られないうちに。お母さん。遠い遠い地球より、アヴィン、サラル、ウリグの大きな大きな愛を込めて。

[Project SIDE B(B面)とは]

写真家は被写体から何かを感じ取り、その対象をそれぞれの視点で切り取ります。

そこには家族や友達への愛が込められているのかもしれないし、哲学的な意味が

あるのかもしれません。あるいは、単なる感覚的な気まぐれや偶然かもしれない。

それらはすべて、写真家が写真に託した本来の意図として、尊重されるべきもの。

レコードでいうA面です。

一方、このプロジェクト B面では、写真がどのような意図でどう撮られたかを

ほとんど無視します。写真を「見る」側の視点で自由に解釈し、妄想し、

勝手なストーリーを付け加えています。一度世に出た写真は、写真家の本来の

意図から離れ、見る人の感覚や感情に委ねられるもの。楽しげな写真を悲しく

見る人もいるし、その逆もあり得ます。プロジェクト B面は、そうした写真の

特性を逆手にとって、見る側が勝手に物語を紡ぎ始めたら一体どうなるのか、

という実験であり遊びなのです。

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