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Project / SIDE B 023

  • nonaky2000
  • 2018年3月25日
  • 読了時間: 2分

Photo by Kentaro Kamata (His FB page)

blood music

深く、重い、ビートが響きだす。変則的なハイハットに導かれて、ベースラインがうねりを増していく。ギターが軽やかなリフを刻む。JUNO-106のメランコリックなメロディがループして、いつまでもいつまでも続くかのよう。突然訪れる、一瞬のブレイク。ギターの音色が変わる。ディストーションの嵐が駆け抜ける。うねるベースに絡み合って疾走するアドレナリン。昂りの余韻を残して、ギターがゆっくりとフェイドアウトする。やがて聴こえてきたのは静かな、とても静かなささやき。心臓の鼓動。そうして音楽は終わる。オレンジ色に染まった海に、いくつもの恍惚とした顔が浮かぶ。波間を漂う亡霊のように。

[Project SIDE B(B面)とは]

写真家は被写体から何かを感じ取り、その対象をそれぞれの視点で切り取ります。

そこには家族や友達への愛が込められているのかもしれないし、哲学的な意味が

あるのかもしれません。あるいは、単なる感覚的な気まぐれや偶然かもしれない。

それらはすべて、写真家が写真に託した本来の意図として、尊重されるべきもの。

レコードでいうA面です。

一方、このプロジェクト B面では、写真がどのような意図でどう撮られたかを

ほとんど無視します。写真を「見る」側の視点で自由に解釈し、妄想し、

勝手なストーリーを付け加えています。一度世に出た写真は、写真家の本来の

意図から離れ、見る人の感覚や感情に委ねられるもの。楽しげな写真を悲しく

見る人もいるし、その逆もあり得ます。プロジェクト B面は、そうした写真の

特性を逆手にとって、見る側が勝手に物語を紡ぎ始めたら一体どうなるのか、

という実験であり遊びなのです。

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