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Project / SIDE B 027

  • nonaky2000
  • 2018年5月19日
  • 読了時間: 2分

Photo by Tomoo Shoju (His HP page)

花の記憶

長く咲いていた満開の桜の花は、喜びや悲しみ、そして怒りの感情をその身に宿す。風に吹かれて散りながら、花はやり遂げたような、満たされぬような、曖昧な想いを抱きながら地面に落ちる。そんな降り積もった花の記憶が、こうして時折、地の底から空へと昇る。それはするりと人の心に入り込み、天啓のように言葉を成す。電車の中や風呂に入っているとき、何だか不意に笑えてきたり、涙がこぼれたり、昔の話に腹が立ったりするのは、だいたいそんな事情なのだ。5月によく見られる現象である。

[Project SIDE B(B面)とは]

写真家は被写体から何かを感じ取り、その対象をそれぞれの視点で切り取ります。

そこには家族や友達への愛が込められているのかもしれないし、哲学的な意味が

あるのかもしれません。あるいは、単なる感覚的な気まぐれや偶然かもしれない。

それらはすべて、写真家が写真に託した本来の意図として、尊重されるべきもの。

レコードでいうA面です。

一方、このプロジェクト B面では、写真がどのような意図でどう撮られたかを

ほとんど無視します。写真を「見る」側の視点で自由に解釈し、妄想し、

勝手なストーリーを付け加えています。一度世に出た写真は、写真家の本来の

意図から離れ、見る人の感覚や感情に委ねられるもの。楽しげな写真を悲しく

見る人もいるし、その逆もあり得ます。プロジェクト B面は、そうした写真の

特性を逆手にとって、見る側が勝手に物語を紡ぎ始めたら一体どうなるのか、

という実験であり遊びなのです。

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