

Project / SIDE B 028
Photo by Tomoo Shoju (His HP page) 彼岸にて 彼岸から此岸(しがん)の淵を眺むれば 欲といふ闇が見えたる御徒町 珍しき石を売っては金に換え 道楽のできる男が一流と 妻子捨て流れ着きしは独り飯 干からびた梅も捨てるに捨てられず 頼るべき人を欺...


Project / SIDE B 027
Photo by Tomoo Shoju (His HP page) 花の記憶 長く咲いていた満開の桜の花は、喜びや悲しみ、そして怒りの感情をその身に宿す。風に吹かれて散りながら、花はやり遂げたような、満たされぬような、曖昧な想いを抱きながら地面に落ちる。そんな降り積もった...


Project / SIDE B 026
Photo by Ukyo Koreeda (His FB page) 疑惑 さっきお店の人が「海の水を凍らせた」って言ってたけど、あれ絶対ウソだと思うんだよね。だって甘いもん。あれ、もしかして海って甘いのか? じゃあなんで魚は甘くないんだろう。ママが料理して甘くなくしてい...


Project / SIDE B 025
Photo by Ukyo Koreeda (His FB page) 旅立つ君へ 東京に旅立つ君へ。君はたぶん、立派な人になるだろう。私の手が届かない世界で、大きなことを決める人に。ちゃんと立派になったら、この季節のこの場所で「おめでとう」を言おう。でも、もし君が挫折した...


Project / SIDE B 023
Photo by Kentaro Kamata (His FB page) blood music 深く、重い、ビートが響きだす。変則的なハイハットに導かれて、ベースラインがうねりを増していく。ギターが軽やかなリフを刻む。JUNO-106のメランコリックなメロディがループし...


Project / SIDE B 019
Photo by Kentaro Kamata (His FB page) エコー・スティービーの楽園 わが友、スティーブ・オルブライトの話をしよう。またの名をエコー・スティービー。出身はニューサウスウェールズって言ってたな。ある時フラリとこの町にやってきて、1年後にフラリ...


Project / SIDE B 018
Photo by Kentaro Kamata (His FB page) 薄羽 かつて「東国随一の駿馬」と噂された栗毛がいた。名を薄羽(うすばね)という。今も半島の名として残る一族の棟梁で、源頼朝の右腕ともなった三浦義澄が愛馬であった。義澄は伊豆で挙兵した頼朝に従って奮戦...


Project / SIDE B 017
Photo by Kentaro Kamata (His FB page) 溶ける アイツは酔っぱらうといつも、 めちゃめちゃ楽しそうに 波の向こうの世界について語りだす。 桃とマンゴーを足したような果物があって、 裸の女とヤシ酒と、あと何だっけ。...


Project / SIDE B 016
Photo by Kentaro Kamata (His FB page) Flower ええ、モデルの人生は儚いものですよ。無我夢中でお仕事していたら、あっと云う間に歳を重ねているんだもの。わずかな間だけ咲く花のようなものね。サクラとか、シャクヤクとか。きれいに咲いていれ...


Project / SIDE B 015
Photo by Kentaro Kamata (His FB page) こんな空の夕暮れに 長く降り続いた雨が上がり、 ラジオのツマミを回して 調子上がるステーションを探す。 車はやがてハイウェイに入り、 前を走るトラックの荷台が いまにも転げ落ちそうに揺れる。...




















