Project / SIDE B 004
- nonaky2000
- 2017年10月20日
- 読了時間: 2分
Photo by Ukyo Koreeda (His FB page)
囁く
清純で儚げな少女の顔は偽りで、わたしをもっと見て、味わってと誘いかける悪魔的な娼婦というのも本当なのかどうか。その虚実のベールを俺は力づくで剥ぎ、幾重にも折りたたまれた柔らかい内側を突きまわし、抉り、掬いとる。混然としたカオスの源泉から、鮮やかな香気が立ちのぼるのを期待して。そしてついに辿りついた深奥の感触とともに、すべては幻のように消えている。夢の中にだけ現れる女のように。耳に息がかかるほど女の唇が近づき、そっとヒミツを囁かれたような罪悪感を残して、俺は呆然とコーヒーをすする。
[Project SIDE B(B面)とは]
写真家は被写体から何かを感じ取り、その対象をそれぞれの視点で切り取ります。
そこには家族や友達への愛が込められているのかもしれないし、哲学的な意味が
あるのかもしれません。あるいは、単なる感覚的な気まぐれや偶然かもしれない。
それらはすべて、写真家が写真に託した本来の意図として、尊重されるべきもの。
レコードでいうA面です。
一方、このプロジェクト B面では、写真がどのような意図でどう撮られたかを
ほとんど無視します。写真を「見る」側の視点で自由に解釈し、妄想し、
勝手なストーリーを付け加えています。一度世に出た写真は、写真家の本来の
意図から離れ、見る人の感覚や感情に委ねられるもの。楽しげな写真を悲しく
見る人もいるし、その逆もあり得ます。プロジェクト B面は、そうした写真の
特性を逆手にとって、見る側が勝手に物語を紡ぎ始めたら一体どうなるのか、
という実験であり遊びなのです。






















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