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Project / SIDE B 014

  • nonaky2000
  • 2017年11月23日
  • 読了時間: 2分

Photo by Ukyo Koreeda (His FB page)

最期の真実

ご覧のとおり、私はもう長くありません。この世の最期に、私と相棒だけが知っている真実をお話ししようと思います。と言いますのも、相棒は心労の故か発すべき言葉を失ってしまったからです。元は健康的な黄色だった肌も、すっかり緑色になってしまいました。つまりこの真実を皆様にお伝えできるのは、いまやこの私しかいないのです。そもそもなぜ私たちのような者が、この寂れた温泉街で息をひそめて暮らしているのか。皆様がそんな疑問を抱くのも無理はありません。しかしそれはひとまず脇に置いて、まさに命脈尽きんとしている私の話に耳を傾けていただかなければならない。残された時間は多くありません。私が皆様に命を賭してお伝えしなければならない真実、それはこの世の地獄、ディズ………。

[Project SIDE B(B面)とは]

写真家は被写体から何かを感じ取り、その対象をそれぞれの視点で切り取ります。

そこには家族や友達への愛が込められているのかもしれないし、哲学的な意味が

あるのかもしれません。あるいは、単なる感覚的な気まぐれや偶然かもしれない。

それらはすべて、写真家が写真に託した本来の意図として、尊重されるべきもの。

レコードでいうA面です。

一方、このプロジェクト B面では、写真がどのような意図でどう撮られたかを

ほとんど無視します。写真を「見る」側の視点で自由に解釈し、妄想し、

勝手なストーリーを付け加えています。一度世に出た写真は、写真家の本来の

意図から離れ、見る人の感覚や感情に委ねられるもの。楽しげな写真を悲しく

見る人もいるし、その逆もあり得ます。プロジェクト B面は、そうした写真の

特性を逆手にとって、見る側が勝手に物語を紡ぎ始めたら一体どうなるのか、

という実験であり遊びなのです。

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