Project / SIDE B 016
- nonaky2000
- 2017年11月25日
- 読了時間: 2分
Photo by Kentaro Kamata (His FB page)
Flower
ええ、モデルの人生は儚いものですよ。無我夢中でお仕事していたら、あっと云う間に歳を重ねているんだもの。わずかな間だけ咲く花のようなものね。サクラとか、シャクヤクとか。きれいに咲いていれば、立っても座っても褒められるのよ。でも花も人間も、そう長くは咲いていられないでしょう? 胸の奥に不安を抱えながら、勉強をして、技術を磨いて、どうにかやっていくの。鏡の前で髪をとかして、にっこり笑ってね。みんな同じじゃないかしら。でもわたしはこう思うのよ。誰かに求めていただいて、誰かの心の中で美しく咲いたのなら、それで十分、幸せじゃないかって。美しさというのは、相手の心の中にあるもの。わたしに何を映して、何を想うかは、ぜんぶ相手の心持ちなんです。だからわたしは、ただわたしでいればいいのね。そう、それはとても幸せなことよ。
[Project SIDE B(B面)とは]
写真家は被写体から何かを感じ取り、その対象をそれぞれの視点で切り取ります。
そこには家族や友達への愛が込められているのかもしれないし、哲学的な意味が
あるのかもしれません。あるいは、単なる感覚的な気まぐれや偶然かもしれない。
それらはすべて、写真家が写真に託した本来の意図として、尊重されるべきもの。
レコードでいうA面です。
一方、このプロジェクト B面では、写真がどのような意図でどう撮られたかを
ほとんど無視します。写真を「見る」側の視点で自由に解釈し、妄想し、
勝手なストーリーを付け加えています。一度世に出た写真は、写真家の本来の
意図から離れ、見る人の感覚や感情に委ねられるもの。楽しげな写真を悲しく
見る人もいるし、その逆もあり得ます。プロジェクト B面は、そうした写真の
特性を逆手にとって、見る側が勝手に物語を紡ぎ始めたら一体どうなるのか、
という実験であり遊びなのです。






















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